「最近の部下は指示待ちばかりで挑戦しない」「トラブルの報告がいつも直前になる」と悩んでいませんか?
管理職の人の中には、部下に対するこのような不満や悩みを抱えている人が一定数います。
このような部下を見ていると、「やる気がない」と評価してしまいがちです。
その感想は間違っていないとも言えますが、やる気がなくて仕事のパフォーマンスが低い人と、やる気が感じられて高いパフォーマンスで仕事をしている人に何か違いはあるのでしょうか。
実は、この「やる気」の違いには、一つの答えがあります。
それが心理的資本の高さの違いです。
今回の記事は、人のやる気を生み出す『心理的資本』について詳しく説明します。
心理的資本に関する基本的なことは下記の記事でご確認ください。
心理的資本が低下すると
上記で紹介している記事にも書いていますが、心理的資本は4つの要素で構成されています。
心理的資本の低い人は、この4つの要素に以下のような特徴が出ています。
- Hope(希望)の低下:「どうせ無理」と諦め、挑戦回避・指示待ちになる
- Efficacy(自己効力感)の低下:「自分にはできない」と失敗を恐れ、抱え込み・相談の遅れにつながる
- Resilience(回復力)の低下:一度のミスで折れて立ち直れず、長期の停滞・離職につながる
- Optimism(楽観性)の低下:「トラブルの原因を自分の才能や環境のせい」にして、責任回避・学習停止に陥る
では、これらの心理的資本が低下したとき、実際の職場ではどのような不調として現れるのでしょうか。
部下の心理的資本の高さを判断する時、どのような行動が基準になるのかを説明します。
心理的資本の低い人に表れている行動とは
心理的資本が低い人は、仕事において以下のような特徴が目立ちます。
1.【挑戦回避】「どうせ無理」と新しい仕事を嫌がる
状態:業務の改善案や新規プロジェクトを打診しても、「今の体制じゃ無理です」「前も似たようなの失敗しましたよね」と、最初から諦めて動こうとしない。
背景: Hope(希望)の低下。目標達成への道筋が見えず、未来に期待が持てなくなっている。
2.【抱え込み・報告遅延】トラブルを隠し、限界まで相談しない
状態: ミスや遅れが発生しているのに、「自分でなんとかします」と抱え込み、取り返しのつかない段階(締め切り直前)になって初めて上司に発覚する。
背景: Efficacy(自己効力感)の低下。「失敗したら評価が下がる」「怒られる」という恐怖が勝ち、助けを求めるハードルが上がっている。
3.【早期離職・学習停止】一度のミスで心が折れ、投げ出す
状態: 厳しいフィードバックを受けたり、コンペで負けたりすると、数日間露骨に落ち込んでパフォーマンスが激減する。最悪の場合、そのまま「この会社は自分に合わない」と離職を決意する。
背景: Resilience(回復力)の低下。失敗を学習のデータとして捉えられず、立ち直るしなやかさが枯渇している。
4.【責任回避・他罰化】「自分は悪くない」と他人のせいにする
状態: 成果が出ない原因を「景気が悪い」「他部署の連携が遅い」「部下が使えない」と、すべて自分以外の外側になすりつけ、自分の行動を変えようとしない。
背景: Optimism(楽観性)の低下。「自分の工夫(主体性)で状況を変えられる」と信じられず、他力本願になっている。
一見すると「本人のモチベーション不足」や「性格の問題」に見えるこれらの行動も、実は心理的資本が育っていないことが原因なのです。
心理的資本が高い人なら、上記のような特徴は表れません。
しかし、心理的資本の高さは、個人が生まれ持った性質や性格の問題ではありません。
心理的資本が低い理由
心理的資本は開発可能で、大人でも今から高めることができます。
では、目の前の部下の中に心理的資本が高いと感じられる人と低いと思える人がいるとしたら、それは何が違うのでしょうか。
心理的資本が低くなる理由はいくつかありますが、それを3つの要素に分けて説明します。
1.過去の経験
- 成功体験が不足していて成功のビジョンが描けないし、自分ならできると思えない。
- 失敗の蓄積によって自分の力を信じることができない、学習性無力感に陥っている。
- 否定的な評価を受け続けた結果、2のような特徴が身についている。
2.本人の認知、行動
- 物事を悲観的に解釈するする傾向がある
- 目指すべき成果に対して目標を設定する力が不足している
- 結果から目を背けて、自分の取り組みを振り返ろうとしない
3.現在の環境
- 与えられている課題を解決するのに必要な裁量を与えられていない
- 上司からの十分な支援を受けることができていない
- 過度なストレスによって精神状態が悪化している
心理的資本を高めるための取り組み
心理的資本が低いと感じる部下がいた場合、その人の心理的資本を高めることができるのか?
その答えは『可能』です。
心理的資本は開発可能なものであると言われています。
過去の経験によって身につく機会を逃していたり、自分の認知によって開発が妨げられていることがありますが、それらはコーチングによって改めて行くことができるのです。
当社が提供している方法としては、心理的資本を高めるワークによって希望、自己効力感、レジリエンス、楽観性をの向上を目指します。
この方法は、自分の認知の在り方を見直し、課題を解決するために必要な認知に作り替えていく作業です。
認知が変化するということは、物ごとへの取り組み方や結果に対する受け止め方の変化も見られるようになり、課題を解決する能力が高まっていきます。
また企業の場合、環境を整えていくことも重要です。
課題の解決を求めるなら見合った権限を与えること、課題を解決するために必要な支援を行っていくこと、そして不適切な言動でストレスを与えることを止めることが求められます。
当社では、役員や従業員向けに心理的資本を高めるコーチングを提供しています。
また心理的資本を高めるための研修も行っています。
自社の課題は、部下の心理的課題を解決する必要があるという方は、一度ご連絡ください。
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