逆ハラスメント

逆パワハラとは、管理する立場にいる人が、管理される立場の人から受けるいじめや嫌がらせといった行為のことです。「部下から上司へ」「後輩から先輩へ」「非正規社員から正社員へ」といったハラスメント行為を指します。逆パワハラでは、「上司から部下へ」「先輩から後輩へ」といったパワハラとは反対の、職務上優位な立場を利用した方向に力が働きます。
今回は、逆ハラスメントに焦点を置き働きやすい職場環境のために私たちができることを解説していきます。

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パワハラとは

パワハラとは、パワーハラスメントの略です。厚生労働省の雇用環境・均等局では、下記すべてを満たしたものを職場のパワハラの概念としています。

・優越的な関係にもとづいて(優位性を背景に)行われる
・業務の適正な範囲を超えて行われる
・身体的もしくは精神的な苦痛を与える、または就業環境を害する

逆パワハラの現状

逆パワハラの現状に該当すると判断した案件の加害者と被害者の関係で多いのは、「部下から上司へ」「後輩から先輩へ」「正社員以外から正社員へ」といった逆パワハラで、全体の約4.8%を占めています。
パワハラの多くは「上司から部下へ」「先輩から後輩へ」が一般的と思われがちですが、逆パワハラも確実に存在しているとわかります。

逆パワハラが増加している背景

逆パワハラが増加している背景にあるのは、上司が萎縮している点が挙げられます。「自分の言動がパワハラになるのではないか」と恐れるあまり上司が萎縮するケースです。
特に年齢や経験で負けている部下に対して、萎縮の傾向が強く出ます。
また萎縮している上司に乗じ、自分の主張と都合よく展開してくる部下の存在がある点も逆パワハラの増加に拍車をかけているのです。

逆パワハラの例

どのようなケースが逆パワハラに該当するのか、4つの事例から解説しましょう。

上司に対して暴言を吐く

暴言や暴力はパワハラです。逆パワハラでは、このようなパワハラと認められる言動が、部下から上司へ投げつけられます。
たとえば、「人前で上司を無能扱いする」「人前で上司の悪口を言う」「上司を叩く」など。

集団で無視をする

上司が仕事の最終責任者である点をいいことに、部下が「上司からの仕事の指示を無視する」「上司からの仕事の依頼を拒否する」といった行為をします。
組織全体や結託した複数の部下にて無視するケースも多いため、上司1人で対応できない場面も多いです。

「ハラスメント」という言葉を武器にする

たとえば、「上司からパワハラの被害を受けている」「上司から飲みに誘われたのはパワハラだ」など、「冤罪」と見なされるように案件を吹聴すること。
上司から飲み会を強要されるのはパワハラといえます。
しかしコミュニケーションとしての会話をパワハラ扱いするのは、逆パワハラの可能性が高いです。

SNSを利用した誹謗中傷

上司に対する誹謗中傷を、SNSやブログなどで実名をあげて書き込むケースです。一旦SNS上にアップされた情報は拡散するうえ、削除も困難です。
またこれらがエスカレートして、上司の私有物を壊すといった暴力的行為に発展する場合もあります。

逆パワハラを防ぐ方法

①マネジメント研修の実施

上司が上手に部下をマネジメントできないと、部下から軽く見られて逆パワハラにつながります。管理職やリーダーを集め、マネジメント力アップを狙った研修を実施しましょう。
研修により管理職のマネジメント力が向上すれば、職場環境や業務遂行面でもメリットが得られます。

②社員教育の徹底

新人研修といった人材育成プロセスに逆パワハラに関する教育プログラムを組み込むと、逆パワハラに関する正しい知識と社内の共通認識を形成できます。
被害者や加害者、目撃者などが設定されたロールプレイングを用いて実践的な教育を行うとより効果的でしょう。

⓷相談窓口の設置

逆パワハラが起こってしまったときを考え、相談窓口を設置します。
プライバシーの保護を含め、安心して気軽に相談できる窓口を設置すれば、社内外にコンプライアンス意識の高い企業だとアピールできるでしょう。

研修講師、相談窓口の担当も行える雇用プランナーとは

当社では、安心して働くことのできる職場環境作りを進める担い手となる人材を育成し、社員の働きがいを守る1つの手段として「雇用クリーンプランナー」の資格普及を行っています。
一般社団法人 クレア人材育英協会が事業運営する『雇用クリーンプランナー』は、労働法、労務、ハラスメントリテラシーを学習して、企業内での労働トラブルやハラスメントトラブルを未然に予防するための資格です。

雇用クリーンプランナー取得の際に得られる知識は、社内でハラスメント研修を行うにも十分な内容のものが学べます。
さらに相談窓口の担当者として社内で起きるハラスメント事案に対処することもできるだけの知識が身に付きます。

雇用クリーンプランナーは、企業で働く中でハラスメントリテラシーを⾝につけたプロフェッショナルとして社内体制の整備・構築、問題解決の⽀援などをしたいと考えている人に向いています。
また、企業の心理的安全性が高く、従業員が成長しやすい職場づくり、職場で生じるトラブルの予防、対処ができる人材育成をしたいという要望にもマッチしている資格です。

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