3月にラモスマーケティングの廣瀬さんに会社に来ていただき、YouTube動画の撮影を行いました。
これは、私がYouTubeを始めるかどうかの検討材料として、お試しで撮影をしていただきラモスマーケティングのチャンネルで動画を公開していただくために行いました。
YouTubeで配信するための動画は、対談形式で私と相手の方が一緒に映る形で撮影したことは何度かあるのですが、私一人だけで映るのははじめてでした
これまでの動画とは勝手が違っていて、少し硬い雰囲気になっていますが見ていただけると嬉しいです。
動画の下には、動画の内容の解説も記載しているのでそちらも合わせてご覧ください。
研修や人材育成の取り組みの成果が出ないのはなぜか(全体解説)
この動画では、企業が制度や研修を整えているにもかかわらず、人材が育たない・離職してしまうといった課題の背景にある「人的資本投資の罠」について解説しています。
労働力人口の減少や市場からの評価軸の変化により人的資本経営の重要性が高まる一方で、多くの企業が投資の成果を出せずに悩んでいます。
その原因として、投資の目的である「アウトカム」の設定ミスと、投資対象の範囲である「スコープ」の設定ミスの2点が挙げられています。
特に、知識やスキルといった狭義の人的資本だけでなく、従業員の「心理的資本」を育てる重要性について科学的根拠を交えて説明しています。
主要テーマ
近年、人的資本経営に注目が集まっている背景には主に3つの理由があります。
1つ目は人口減少による生産性向上の必要性であり、日本の生産年齢人口は今後約40年で40%減少すると予測されているため、1人当たりの生産性を高めることが不可欠です。
2つ目は投資家からの情報開示要求で、2023年からの有価証券報告書への人的資本情報の開示義務化などにより、人材戦略の見える化が求められています。
3つ目は市場での評価軸の変化であり、人的資本に積極的な企業が株式市場で評価される仕組みが整いつつあります。
こうした背景から研修費を拡大する企業が増えていますが、期待した成果につながらないケースが多発しています。
第2章:重要ポイント
成果が出ない第1の罠として「アウトカム設定ミス」が挙げられます。
アウトカムとは改善させたい指標のことであり、多くの企業で「従業員満足度」と「エンゲージメント」が混同されています。
従業員満足度は、職場環境や給与、福利厚生などの現状に対する快適さを測定する性的かつ受動的な指標であり、離職率の低下には寄与するものの業績向上やイノベーションには直結しません。
一方でエンゲージメントは、働く意義や組織への帰属感、主体性や挑戦意欲を含む能動的な指標であり、生産性の向上や業績に直接的に寄与します。
本来はエンゲージメントを向上させるべきであるにもかかわらず、従業員満足度の向上ばかりにフォーカスしてしまうことが投資の罠となっています。
第3章:具体例・補足
成果が出ない第2の罠として「スコープの設定ミス」が挙げられます。
企業が持つ資本には歴史的変遷があり、バブル期までの「経済資本(金融資本)」、90年代からの「人的資本(知識・スキル)」、2000年代からの「社会関係資本(社内外のつながり)」を経て、現在は個人が主体的に行動するための土台となる「心理的資本」に焦点が当たっています。
学術的な定義において、人的資本は知識・スキル・経験などの「何を知っているか(What you know)」を指すのに対し、心理的資本は自己効力感やレジリエンスなどの「自分自身をどう捉えているか(Who you are)」を指します。
現代の企業では、知識やスキルの投資(人的資本投資)は行われているものの、行動を継続するための心理的土台(心理的資本)への投資が不足していることがボトルネックとなっています。
第4章:結論
心理的資本は、生まれつき固定された性格ではなくトレーニングによって向上させることが可能な「状態」として捉えられています。
アメリカの経済学者フレッド・ルーサンスらの研究により、短期間のワークショップなどを通じて従業員の自己効力感や希望、レジリエンスが向上することが示されています。
また、心理的資本は科学的に測定可能であり、仕事の満足度や組織への貢献行動に強いプラスの影響を与え、ストレスや燃え尽き症候群とは負の関連を示すことがメタ分析で報告されています。
資金やノウハウ、人脈が揃っているにもかかわらず人材育成が伸び悩んでいる企業は、従業員の心理的資本の開発に注力することが業績向上への鍵となります。
要点まとめ
-
- 人的資本投資が成果に結びつかない背景には「アウトカム設定ミス」と「スコープ設定ミス」の2つの罠がある。
- 業績向上やイノベーションを促すためには、受動的な「従業員満足度」ではなく、能動的な「エンゲージメント」を指標として設定する必要がある。
- 知識やスキルを学ぶ研修だけでは不十分であり、行動の土台となる「心理的資本(自己効力感やレジリエンスなど)」を合わせて開発することが重要である。
| ■社長ブログの人気記事一覧 | ■人的資本経営の記事 | ■心理的資本の記事 |






