今回の記事は、組織を率いるリーダーとリーダーを任せている人の成長を期待している経営者に見ていただきたい内容となっています。
これまでの記事では、心理的資本を高めることが自身のパフォーマンス向上に繋がるという話を書いてきました。
今回は、少し視点を広げて「組織のリーダー」に注目していきたいと思います。
組織の活動においてリーダーの心理的資本が低いことは大きな痛手となります。
その理由とリーダーに求められる心理的資本の状態について解説します。
リーダーの感情はチームに伝染する
あなたは、「不機嫌な人と一緒にいると、自分も暗い気持ちになってくる」反対に、「元気がなかったけど、リーダーが楽しそうに仕事に取り組む姿を見てやる気が出てきた」というような経験はありませんか?
実は感情はウイルスのように伝染するのです。
特に、組織のリーダーならばその影響力(感染力)は大きいものになります。
リーダーの心理的資本が低いと、リーダーの中で目的達成のイメージができない、自分に何かを成す力があると感じられない、上手くいかない時に立て直すためにチームを鼓舞できない、出来事に対してネガティブな側面からの評価しかできないということが起きてしまいます。
このリーダーの状態は、チームのメンバーの感情や態度にも影響を与え、活動力を低下させてしまいます。
リーダーの心理的資本が高く、「何とかなる」「必ず道はある」を体現していると、部下は「失敗してもこの人なら受け止めてくれる」という安心感を持ちます。
リーダーの心理的資本が高いと、チーム全体の心理的資本を引き上げ、主体性を引き出すことができるのです。
リーダーの心の在り方がチームに影響を与える理由
みなさんは「ミラーニューロン」というものを聞いたことがありますか?
リーダーの心理的資本がチームのメンバーに影響を与えるメカニズムを理解する上で鍵となるのがミラーニューロンとです。
ミラーニューロンとは、他者の行動や感情を観察したときに、自分自身がそれを体験しているかのように活動する神経細胞です。
この仕組みによって、人は無意識のうちに他者の感情や態度を「映し取る」。
つまり、リーダーの心理状態は、チームメンバーの脳を刺激して同じような心理状態を生み出しやすいと言えます。
このミラーニューロンの働きが、前段で説明したリーダーの心理状態がチームに影響を与えるという現象を引き起こすメカニズムなのです。
このように、リーダーの心理的資本は、単なる個人の資質にとどまらず、ミラーニューロンという神経的メカニズムを介してチームに「感染」する性質を持ちます
そのため、リーダー自身が自己の心理状態を整え、意識的にポジティブな態度や行動を示すことが、チーム全体の心の力を高めるのに重要なのです。
リーダーの具体的な行動と部下への影響
では、リーダーの心理的資本がチームに与える影響について、心理的資本の4要素(HERO<希望・自己効力感・回復力・楽観性>)ごとにその影響を見てみましょう。
もし心理的資本についてよく知らないという方がおられたら、下記の記事を先に読んでみてください。
Hope(希望):指示待ちを「自走」に変える力
リーダーが「目標への手段を複数持っているか」が部下に伝染します。
リーダーの状態:行き詰まったときでも、リーダー自身が「A案がダメでも、B案もC案もあ る。」と楽しそうに代替案を探している。
部下への影響:「正解は1つではないんだ」「失敗してもまた別の道を探せばいいんだ」という安心感を持てる。
主体性の引き出し方:リーダーが答えを教えるのではなく、「もしこの方法がダメなら他にどんな手があるかな」と一緒にルートを探す問いかけをする。
Efficary(自己効力感):部下の「できる」を確信に変える力
リーダーが自己の強みだけでなく、部下の強みの根拠を、本人以上に信じることが重要です。
リーダーの状態:部下の過去の成功体験や、本人が気づいていない「強みを発揮できるポイント」を理解している。
部下への影響:難易度の高い仕事を任されたときに、リーダーから「君には、◯◯という強みがあるから、達成できると思っている」と言われることで、根拠のある自信が持てる。
主体性の引き出し方:褒めるだけでなく、「今回の成功は、君のあのときの行動の結果だね」と、成功の要因を具体的にフィードバックする。
Resilience(回復力):チームの「判断速度」を上げる力
トラブルが起きたとき、問題が大きくなる前にリーダーが対処する必要があります。
リーダーの状態:ミスが起きた瞬間に「犯人探し」をするのではなく、「今、ここから何ができるか?」に100%集中し、堂々と構える。
部下への影響:「このリーダーなら、挑戦した結果のミスは受け止めてくれる」と感じ、思い切って挑戦するようになる。
主体性の引き出し方:トラブル時に「挑戦したのはナイス!この失敗から学べることは何かな?」と失敗を学習機会に変換する。すると部下は、叱責を恐れて報告を遅らせることをやめ、自分で判断して動くようになる。
Optimism(楽観性):挑戦を「習慣」に変える力
根拠のない「大丈夫」ではなく、「現実的な楽観」を周囲に示す力です。
リーダーの状態:厳しい状況下でも、現状を直視した上で「この苦境を乗り越えたとき、チームはどう成長しているか?」という未来の可能性に目を向けている。
部下への影響:目の前の困難に飲み込まれず、「このプロジェクトを完遂することに価値がある」というポジティブな認知が広がる。
主体性の引き出し方:ネガティブな出来事を「組織の体質」のせいにせず、「これは一時的なハードルだ。今の私たちにできるベストは何だろう?」とコントロール可能な範囲に意識を向けさせる。
リーダーなら心理的資本を高めよう
リーダーは完璧である必要はないし、何より完璧になれることはありません。
ただ、完璧になることは無理だからこそ、仕事において目的を持って活動するということは困難にも直面する機会が増えるということです。
そのため失敗することもあるし、迷ったり悩む時もあるでしょう。
だからこそ、リーダーには困難な中でも心の安定性を保ち、目的を見失うことなくチームをけん引できる力が求められるのです。
心理的資本は、開発可能な能力だと言われています。
当社では、心理的資本を高めるたる機会としてHEROコーチングプログラムを提供しています。
4つの要素ごとにコーチングを行って、希望、自己効力感、回復力、楽観性がそれぞれ成長するように働きかけていきます。
もしあなたがリーダーという役割を担っているなら、まず心理的資本を高めてみませんか?
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