外的刺激に対する脳の覚醒とドーパミン神経

前回の最高パフォーマンスを発揮する3つの神経伝達物質という記事では、仕事でパフォーマンスを発揮するためには、ドーパミンノルアドレナリンアセチルコリンという神経伝達物質がバランスよく働いていることが条件になるということを説明しました。
ただ、上記の神経伝達物質がバランスよく働くための環境には個人差があります。
その個人差とは脳の働き方とパフォーマンスを発揮しやすい環境の違いです。
それは、神経伝達物質は外的な刺激によって働きが変化するという性質があるので、自分が受ける外的刺激に対する脳の反応の違いによってパフォーマンスを発揮しやすい環境に違いが出るということです。

自分が力を発揮しやすい環境は、ドーパミン神経が外部から受けるどのような刺激に反応しやすいかによって違います。
仕事の中では何かの役割を任されたり、ミッションを与えられるという外的刺激があり、『期待を裏切らないように働かなければ』という責任感と『失敗はできない』という危機感が芽生えるのですが、この時のはノルアドレナリン神経が反応しています。

緊張感を高めるノルアドレナリン神経が反応した時、同時にドーパミン神経も反応しやすい人がいる反面、ドーパミン神経が反応しにくい人がいます。
このドーパミン神経の反応レベルの違いが、人が力を発揮しやすい環境の違いと関係しているのです。

プレッシャーを力に変えるタイプ

求められる仕事内容、人との交流、仕事の難易度や責任、他人からの励まし、応援、嫉妬、叱責などはすべて外的刺激なのですが、外的刺激に対してドーパミン神経が反応しやすい人は、物事を前向きに捉えることができていて、自分の行動の先には良いことが待っていると自然にまたは意識的に思うことができる人です。
そのため緊張感を感じつつも、仕事の難易度や危機感、周囲からの応援、または嫉妬や叱責さえも自分が行動するエネルギーに転換して行動することができます。

脳内でノルアドレナリン神経と一緒にドーパミン神経が一緒に活性化するタイプの脳の覚醒をするタイプであるため、営業や他人とのコミュニケーションが多い仕事、難易度や危険度の高い仕事、臨機応変な対応が求められる仕事などでも力を発揮できます。

マイペースな仕事で力を発揮するタイプ

外的刺激に対してドーパミン神経が働きやすい人に比べて、外的刺激に対してドーパミン神経の反応が弱い人は、ドーパミン神経の働きが弱くてもストレスレベルが低い状態であれば力を発揮できるという特徴があります。

外的刺激に対してワクワクするというようなことは少ないが、一度自分が学習したこと、興味を持ったことについては熱心に取り組むことができるので、それを邪魔する外的刺激が少ない環境で安定したパフォーマンスを発揮できます。
ドーパミン神経が働きやすい人が飽きてしまうような仕事でも、長時間没頭することが可能であったり、正確性が求められる作業が得意だったりします。
そのためマイペースに仕事ができる環境においては十分なパフォーマンスを発揮して会社に貢献をしてくれます。

職場環境のバランスと適材適所

企業によっては、外的刺激を多く受ける職場環境とマイペースで作業ができる職場環境のバランスが違います。
このバランスの違いによって上記のどちらのタイプの人材が多く必要かが違ってきます。
また、企業によって2つの職場環境のバランスに合わせて人材も集まってきている傾向があります。

そして、その傾向によっては下記のような事例が発生することがあります。

例えば、システム開発をしている会社だとマイペースに仕事をすることで力を発揮するタイプの人が集まりやすい傾向があり、システム開発の作業をしてもらっている分にはパフォーマンスが高いが、仕事の取り組みを評価して1人の従業員を管理職に昇格させたら、外的刺激への耐性が弱いためにパフォーマンスが低下するというようなことがあります。

反対に業務の大半が営業だという企業だと、外的刺激に強く行動力の高い人材は多いが、その中から総務部や人事部を作って人を回した途端、仕事の雑さが目立ったり、異動した従業員のモチベーションが低下するというようなこともあります。

人によって外的刺激に対するドーパミン神経の反応に個人差があり、大きく分けると上記の2つのタイプに分類することができるので、その違いを踏まえて人材の登用や配置を行っていくことが必要になります。
管理職をしている人は、部下をよく観察しているとどちらのタイプか見分けることができるようになるので、タイプによってパフォーマンスを発揮しやすい環境を提供していくことを考えて頂ければと思います。
また2つの脳の覚醒タイプの違いによって、人に与える仕事の種類と量、言葉掛けなどを工夫することが部下のパフォーマンスを引き出すことにつなるということを意識してマネジメントを行って下さい。

参考文献 脳科学で知的生産性を10倍高める 覚醒脳の作り方

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