脳内にある原始的な2つのネットワーク

今回の記事からは、感情のコントロールをテーマに記事を書きたいと思います。
良い仕事をするためには感情のコントロールができなければならないということは、日常の仕事の中で感じていると思います。
この記事を読んで頂いている方の中には、それを実践して成果を出しているという方もおられるでしょう。
今回から数回にわかって、感情のコントロールが難しい理由やコントロール力を高めるための知識を提供していきたいと思います。

今回は、感情のコントロールに関する導入部分の説明なので記事は短めです。

他の記事は、仕事で成果を出すための脳科学の知識 をご覧下さい。

感情のコントロールが難しい理由

仕事で良いパフォーマンスを発揮して成果を上げるために感情のコントロールをテーマに挙げているのは、感情のコントロールが難しいからです。
程度の差を問わなければ、多くの人がこれまでの人生で上手く感情をコントロールできなくて失敗をした経験があるのではないでしょうか。
一度、その時の状況を思い出してみて下さい。

今の冷静な状態で過去の失敗を思い出してみると、『なぜ、あの時はあんな決断、または行動をしてしまったのか』という思いになった人もおられると思います。
後から考えるとどのような決断や行動が適切かわかるようなことでも、その瞬間には明らかに間違った方を選択してしまうのは、脳の理性的かつ意識的な活動を担う領域が、原始的な領域の活動に負けてしまうからです。

原始的な領域の活動は、無意識に発生するので自覚した頃にはその活動が強くなっていて、理性的かつ意識的な活動を担う領域の働きによってコントロールできないということが起きてしまうのです。
これは、理性的かつ意識的な活動を担う前頭葉と原始的な領域の大脳辺縁系が衝突して前頭葉が負けたという状態です。

私達の脳は、大脳辺縁系から生じる活動は、情動、喜怒哀楽などの感情の発生と処理、食欲、性欲、睡眠欲、その他意欲などの本能的な働きと関係しているのですが、社会活動を行うために前頭葉が上手く調整をしてくれています。
しかし、何らかの理由によって大脳辺縁系の活動を前頭葉が抑えきれないという状態になった時に、感情的な働きや本能的な働きを優先してしまう決断や行動に出てしまうのです。

私達の生活の中でコントロールする必要がある脳の働きは大きく分けると2つあります。
それは、脅威回路報酬回路です。
この2つの回路の働きが活発になった時、前頭葉がその働きに負けた状態が感情をコントロールできていない状態です。

次回の記事では、感情をコントロールするための知識の取得していただけるように、脅威回路と報酬回路について詳しく説明したいと思います。

衣川竜也/きぬがわたつなり

企業の人財育成コンサルティング、研修を担当しています。
人材コンサルティングは、管理職を含めたリーダー育成のコーチングやミーティングを提供しています。
研修は、メンタルヘルス、ハラスメント、コミュニケーション能力向上、脳科学を基礎とした人材育成などを行っています。

資格 公認心理師


雇用クリーンプランナー公式認定講座
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