この動画は、ハラスメントや労働トラブルの予防、対応に必要な知識を紹介しています。
企業が抱えるリスクを軽減させるためには、経営者や管理職、人事・総務担当者に欠かせない知識があります。
またその知識は企業を守るだけでなく、労働者としての権利を守ることができるものでもあるので動画の紹介を行っています。
今回は、カスハラから従業員を守る「現場対応の7ステップ」についてです。
動画発信者 一般社団法人クレア人財育英協会 雇用クリーンチャンネル
講師 特定社会保険労務士 小野純先生
※この動画は一般社団法人クレア人財育英協会のパートナー企業として当社ホームページで紹介しています。
動画の内容
この動画は、カスハラ(カスタマーハラスメント)対策において、制度を整えるだけでなく、実際に現場の従業員が対応できるように「教育」することが不可欠であると解説しています。
頭で理解しているだけでは、火事の避難訓練と同じで、いざという時に体は動きません。
そのための具体的な従業員教育の「7つのステップ」を紹介しています。
従業員教育のための「7つのステップ」
ステップ1:カスハラの現状と問題点の共有
まず、カスハラが社会問題化しており、従業員の精神的負担になっている現状を伝え、なぜ対策を学ぶ必要があるのかを認識させます。
ステップ2:トップの宣言の共有
経営トップが「我が社はカスハラを許さない」と明確に宣言していることを従業員に伝えます。
これにより、従業員は「会社が守ってくれる」という安心感を持って対応に臨めます
ステップ3:カスハラの定義の確認
「正当なクレーム」と「カスハラ」の境界線を明確にします。
妥当性のある要求は「正当なクレーム」ですが、妥当性がなく理不尽な要求や威圧的な言動は「カスハラ」である、という基本定義を徹底します。
ステップ4:我が社における具体例の提示
自社の業種・業態に合わせた「カスハラの具体例」を事前に決め、従業員に提示します。
例えば、「値引きシールが貼られていない商品の値引きを強要する」など、具体的な基準を示すことで、現場の従業員が判断に迷わないようにします。
ステップ5:対応の手順・役割の確認
カスハラが発生した際のエスカレーションルールを明確にします 。
- 一時対応(現場の従業員)が説明しても顧客が納得しない場合 。
- 二次対応(店長やチーフ)に速やかに引き継ぐ。
このように、誰がどのタイミングで対応するのかを具体的に決めておきます。
ステップ6:事例演習(グループ演習)
動画が最も重要だと強調しているステップです。
レジで大声を出す顧客への対応といった具体的な事例を提示し、グループで以下の点を話し合わせます。
- これはカスハラに該当するか?
- 店舗としてどう対応すべきか?
- 未然に防ぐために何ができるか?(例:値引きルールをレジ前に掲示する)
これにより、知識を「実践」レベルに落とし込みます。
ステップ7:記録と共有
発生したカスハラの事例を「いつ、誰が、何を言われ、どう対応したか」を記録シートに蓄積します 。
これを社内で共有することで、次に同様の事案が発生した際の対応の質を高めることができます。
まとめ
この動画は、これらの7ステップの教育を通じて、従業員一人ひとりが「カスハラは会社のルールに従って毅然と対応して良い」と自信を持つことが、従業員を守り、働きやすい職場環境の実現につながると結論付けています。
知識を「実践」に変え、実効性のあるカスハラ対策を推進するために
この記事が「7つのステップ」として詳説したように、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策は、マニュアルや制度を整備するだけでは不十分です。
火事の避難訓練と同様に、従業員一人ひとりが「いざという時に動ける」ようにするための、継続的な教育と実践的な訓練(事例演習)こそが、企業と従業員を守る鍵となります。
しかし、自社の業態に合わせた「カスハラの具体例」を選定し(ステップ4)、現場が混乱しない「対応手順」を確立し(ステップ5)、そして何より効果的な「事例演習」を設計・実施する(ステップ6)ことは、人事や教育担当者にとって容易なことではありません。
これらの対応には、法的知識と教育ノウハウの両方が求められます。
「雇用クリーンプランナー」資格は、まさにこうした実効性のあるハラスメント教育・体制構築を主導するために必要な専門知識を体系的に提供します。
カスハラの法的な定義や境界線の見極め方はもちろん、企業に求められる体制整備、効果的な研修の実施方法、そして「記録と共有」(ステップ7)を通じた継続的な改善プロセスの回し方まで、現場で役立つ実務を学ぶことができます。
担当者が正しい知識と自信を持って従業員教育を推進することは、従業員に「会社が守ってくれる」という安心感を与え、クリーンな職場風土を醸成する第一歩です。
企業の安全配慮義務を果たし、従業員を深刻なリスクから守るために、この機会に専門資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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