この動画は、ハラスメントや労働トラブルの予防、対応に必要な知識を紹介しています。
企業が抱えるリスクを軽減させるためには、経営者や管理職、人事・総務担当者に欠かせない知識があります。
またその知識は企業を守るだけでなく、労働者としての権利を守ることができるものでもあるので動画の紹介を行っています。
今回は、飲み会に誘ってもらえないことがパワハラに該当するかどうかという話です。

動画発信者 一般社団法人クレア人財育英協会 雇用クリーンチャンネル
講師    特定社会保険労務士 小野純先生

※この動画は一般社団法人クレア人財育英協会のパートナー企業として当社ホームページで紹介しています。

動画の内容

飲み会に誘ってもらえないことはパワハラなのか・・・
結論から言うと、「ケースバイケース」であり、飲み会の性質によってパワハラに該当する場合としない場合があります。

この動画は、職場の飲み会に意図的に呼ばれないことが、パワハラの一類型である「人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し)」に当たるかどうかを、法律の定義に沿って解説しています。

パワハラと認定されるための3つの条件

まず、ある行為がパワハラと見なされるには、以下の3つの要素をすべて満たす必要があります。

  1. 優越的な関係を背景とした言動(上司と部下など)
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
  3. 労働者の就業環境が害される

飲み会に呼ばない行為が、これらの条件、特に2と3に当てはまるかどうかが焦点となります。

パワハラになる場合とならない場合

動画では、飲み会の目的や参加者によって結論が大きく異なると説明しています。

パワハラに該当しないケース?

  • プライベートな飲み会
    • 気の合う同僚同士や、同期だけの集まりなど、完全に任意参加で私的な飲み会に呼ばれなくても、それはパワハラにはなりません。
    • 業務とは無関係であり、個人の人間関係の範疇と見なされるためです。

パワハラに該当する可能性が高いケース?

  • 部署の忘年会や歓送迎会など、公式な行事
    • 部署やチームの全員が参加対象となるべき公式なイベントから、特定の人物だけを意図的に排除した場合、それは「仲間外し」と見なされ、パワハラに該当する可能性が高まります。
  • 業務上の情報共有が行われる飲み会
    • 飲み会の場で、重要な業務連絡や情報交換が行われるにもかかわらず特定の人を呼ばない場合、その人は業務上不利益を被ります。
      これは「業務上必要かつ相当な範囲を超え」ており、「就業環境が害され」ていると判断されやすくなります。
  • 上司が主導して特定の人を仲間外れにする
    • 上司がその立場を利用して、部下を意図的に飲み会に呼ばないように仕向けた場合、優越的な関係を背景とした行為として、パワハラと認定される可能性が非常に高くなります。

まとめ

単に飲み会に誘われなかったという事実だけでは、直ちにパワハラとは言えません。
しかし、それが業務に影響を及ぼすような公式な集まりであり、意図的な仲間外しであるならば、パワハラとして問題になる可能性があります。
もし悩んでいる場合は、その飲み会がどのような性質のものだったのかを客観的に見極めることが重要です。

ハラスメントの「グレーゾーン」をなくし、健全な職場を築くために

職場の飲み会という日常的な場面でさえ、その性質や上司の意図によっては「人間関係からの切り離し」という深刻なパワーハラスメントに該当し得ることは、多くの管理職や従業員にとって認識が難しい「グレーゾーン」の一つです。

記事で解説されたように、「部署の公式行事」や「業務上の情報共有」の場から特定の人を意図的に排除する行為は、パワハラの3要件(優越的関係、業務上の範囲を超える、就業環境を害する)を満たす可能性が非常に高くなります。
こうした行為を「プライベートな関係だから」と安易に正当化してしまうと、従業員の孤立感やメンタルヘルスの悪化を招き、最終的には組織全体の士気低下や人材流出といった経営リスクに直結します。
このような「無自覚なハラスメント」を防ぎ、法的にクリーンな職場環境を整備するためには、管理職から一般社員までが「何がパワハラにあたるのか」という正しい知識と判断基準を持つことが不可欠です。

「雇用クリーンプランナー」資格は、まさにこうしたパワハラの法的な定義、具体的な類型(仲間外しや隔離)、そして「業務上相当な範囲」とは何かを、豊富なケーススタディを通じて体系的に学ぶことができます。
ハラスメントを未然に防ぐための環境整備や、万が一発生した際の相談窓口の適切な運用方法まで網羅しており、健全な職場風土を構築するための実践的な知識が身につきます。
この機会に専門資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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