メンタルヘルス対策の2次予防につながる知識

メンタルヘルス対策では、2次予防としてメンタル不調、メンタル不全の早期発見が従業員の心の健康を守るための方針として含まれています。
今回の記事では、ストレスによってメンタル不調が生じ始めた時に、早い段階で気づくことができるための知識として、ストレスによって人間の精神、身体、行動にどんな異常が出るのかということについて説明しています。

ストレスによってどんな不調や問題が生じるのかということを知っておくことで、自分自身や同じ職場で働く人に異常が生じた時に、早い段階で気づいていただけるよう下記の内容を覚えておいて頂ければと思いいます。

ストレスが生み出す3つの異常

職場のストレスレベルが高い場合、従業員にストレスによる3つの異常が発生している可能性があります。
しかし、その異常には本人も周囲も気づくことなく、組織全体のパフォーマンスが低下するまで対策を行わずに、従業員の健康状態が低下して、組織の生産性も落ちているという職場もあります。

従業員個人にとっても、企業にとってもストレスの影響によるパフォーマンスの低下を防ぐことは大切であり、そのためにはストレスによる異常に早い段階で気づくことが大切です。
そのためにストレスによって生じる3つの異常について知っておいていただきたいと思います。

精神の異常

ストレスは精神状態の異常として表れます。
精神の異常は、本人も周囲もある程度症状が強くならないと気づきにくいという特徴があり、我慢強い人ほど悪化するまで無理をしてしまいます。
また、周囲の人も症状に気づかず、気持ちの強さで乗り越えることを求めたり、我慢を強いるような発言をして本人を悪気なく追い詰めてしまうこともあります。

主な症状
うつ、不安障害、パニック発作、不眠、ヒステリー、物忘れや記憶の錯誤、イライラ、孤独感や無力感、など。

身体の異常

ストレスは身体の異常としても表れます。
身体の異常が表れる人の特徴としても、我慢強さがあります。
ストレスがあるのに我慢をして耐えてしまうので、その人にとってストレス症状が出やすいところに異常が見られるようになるのです。
主に以下のような症状が出ますが、身体症状が出ている場合は、まずその体の部位を見てくれる専門の病院で診察を受けることが大切です。
その上で、原因がわからない場合やストレスが原因と言われたら、心療内科で診てもらうという流れになります

主な症状
胃痛、アトピー、喘息、頭痛、手足の痺れ、円形脱毛症、自律神経失調症、食欲不振、めまい など。

行動の異常

ストレスは行動の異常として表れることもあります。
なぜ、行動の異常として表れるのかというと、ストレスによって脳が疲労して、理性や現実検討をする力が低下するため、自分にとっても他人にとっても不適切な行動をする可能性が高まってしまうのです。
以下のような行動の兆しがあると感じたら、ストレスが蓄積している可能性があります。
誰かに対してハラスメントに該当する行為をしてしまっている従業員がいたとしたら、ハラスメントをしている人自体もストレスレベルが高いと考えられます。

主な症状
摂食障害、ギャンブル依存、買い物依存、性犯罪、万引き、出社拒否、帰宅拒否、暴力、爪噛み、抜毛、セクハラ、パワハラ、モラハラなど。

まとめ

ストレスは目に見えないものだからこそ、ストレスによってどんな影響が生じるかについて知識を持っておくことが大切です。
ストレスの全くない職場を作ることは難しいですが、ストレスによって生じる影響をいち早く見つけ出し、大きな問題に発展させないことは可能です。
メンタルヘルスのセルフケアとしても、ラインケアとしてもストレスによって生じる影響を身のがなさいという意識を持って仕事に取り組んでいただきたいと思います。